【2019→2020】ソムリエ教本変更点まとめ【スペイン -後編-】

こんにちは!
マルです。

本記事では、2019年と2020年のソムリエ教本を読み比べて見つけた変更点をまとめています。

前回の【スペイン -前半-】に引き続き、今回は【スペイン -後半-】です。

前回の記事はこちら
【2019→2020】ソムリエ教本変更点まとめ【スペイン -前編-】

変更点や新しい記載からの出題は毎年多い傾向にありますので、ぜひチェックしてみてください。
今年ソムリエ試験を受験される方はもちろん、すでに資格を持っている方の知識のアップデートにお役立ていただければ幸いです!

  

南部地方

アンダルシア州

【変更】P272

・D.O.の数が6つ(+1)
・V.C.にはLebrijaがある(2009年認定)
…ワインのタイプ:B,R,Rs,VDN,VDL,Ge

※Ge = ヘネロソ(シェリーなど酒精強化ワイン)

  

Jerez-Xérès-Sherry y Manzanilla-Sanlúcar de Barrameda

【追加】

[プロフィール]

・アンダルシア州の南西部、大西洋岸地域で白ブドウから造られる酒精強化ワイン
・原産地呼称名の基はシェリシュ
 (産地の中心都市へレスのイスラム教徒支配下の名称)

・3つの基本カテゴリーが存在する

①「Vino Generoso」
…辛口
②「Vino Dulce Natural」…ごく甘口
③「Vino Generoso de Licor」…辛口にごく甘口をブレンド

  

[歴史]

紀元前1100年フェニキア人によって現在のカディスにブドウ栽培とワイン造りが伝わる

紀元前700年
:へレス近郊でワイン造り

ギリシャ・ローマ時代
:ワイン造りが盛んに

711~1264年
:イスラム教徒支配下のためワイン造りが停滞 / 蒸留技術が伝えられたためワインは薬用や香水として利用

国土回復運動終了後
:ワイン造りに再び活気

大航海時代
:ワインは大量に船に積まれ世界中に広がる

19世紀
:一定の品質を保った熟成ワインが求められるように→クリアデラとソレラの熟成システムが確立

※常に輸出の割合が高かったが、2018年末時点で国内市場が38%と最も大きく、次いでイギリス28%、オランダ14%、ドイツ6%と続く

  

[気候風土]

大西洋、グアダルキビール川の河口
世界自然遺産ドニャーナ国立公園を控えた地域で、畑はなだらかな丘状

・年間降水量:600mm
・2つの風:
 →大西洋から吹く低温高湿「ポニエンテ」
 →内陸から吹く高温低湿「レバテ」
・土壌:アルバリサ
 →炭酸カルシウムの含有量が多く真っ白な土壌
→多孔性で水分保持力が高い

  

[使用ブドウ品種]

白ブドウ品種3種
パロミノ、モスカテル、ペドロ・ヒメネス
→パロミノが95%を占める
(辛口はすべてパロミノから造られ、残り2品種はごく甘口用)

ブドウ栽培面積:7,185ha(2018年8月1日時点)

  

[造り方1(辛口ワイン)

使用品種:パロミノ

① 除梗破砕・搾汁

② 発酵(22~26℃)
→アルコール11~12%のワインを造る

③ 11月末以降まで保持(澱を沈ませる)
→この間にFlor(産膜酵母)が発生

④ ③の状態で官能検査をし2グループに大別
1.デリケートさのあるワイン:フィノ
  (フロール膜のもとで酸化させずに熟成)
2.ボディがしっかりしたワイン:オロロソ
  (フロールを消して酸化熟成)

⑤ 酒精強化をし、Sobretablaへ入れる状態に保つ
→フィノは15%まで、オロロソは17%以上に酒精強化

⑥ 再チェック

⑦ 酸化熟成工程へ
「パロ・コルダド」フロールの状態が変化し特別な酸化熟成タイプになると判断されたフィノを再度酒精強化しアルコール17%以上にあげたもの

「アモンティリャード」フィノとして何年か熟成されたワインが後に意図的な酒精強化で(もしくは自然消滅で)フロールを消失した後に酸化熟成したもの

  

[造り方2(ごく甘口ワイン)

使用品種:モスカテル、ペドロ・ヒメネス

① 収穫後1~2週間天日干し
→水分を蒸発させ果汁の糖度を上げる

② 搾汁

③ 発酵

④ 酒精強化をして発酵を途中で停止

⑤ 辛口シェリーと同様に樽熟成させる

  

[産膜酵母、フロール]

フロール:
・アルコール発酵後も生き続けるサッカロミセス属の酵母

・ワイン中のアルコール、残糖、グリセリン、溶解酸素などを養分として増殖

・ワインの表面を覆う膜となり、ワインの酸化を防ぐ(色も変わらない)

・二酸化炭素、アセトアルデヒドを発生(ツンとした香りのもと)

・アルコールやグリセリンを消費するためワインがより辛口になる

  

[熟成]

使用樽:
600ℓ入りのアメリカン・オーク材のもの

・新樽は使わない(古い樽を分解した古材を用いて修理しながら何十年も使用する)

・樽に入れるワインの量は500ℓ
フィノ:上部にフロールが幕を形成する表面積を確保
→オロロソ:上部に空間を保ち酸化を促す

・熟成はSistema de Criaderas y Soleraで行う
→クリアデラとソレラのシステム(下図参照)

  

・下の段に行くほど熟成期間の長いワインが入った樽が並ぶ(樽を段積みしたブロックをアンダナと呼ぶ)

・ボトリングはソレラのサカのみから行われる(年間で樽の内容量の40%以上出荷してはいけない)

・出荷で減った分は、第一クリアデラのサカからソレラへロシオされる

・一番若いワインが入ったクリアデラにはソブレタブラとして待機していたワインを補充する

  

[熟成地]

シェリーの生産地域はMarco de Jerezと呼ばれ9都市が含まれる
その内原産地呼称を名乗るための熟成地は3つ

・Jerez de la Frontera
・El Puerto de Santa María
・Sanlúcar de Barrameda

(ほかの6都市では熟成までは出来るが原産地呼称付きの製品として出荷が出来ないため、3都市にある熟成出荷登録した生産者に販売する)

  

※例外2パターン
・サンルーカルで熟成されるワインのうち、Manzanillaだけ独自の原産地呼称を持つ

・甘口タイプのMoscatelのみ海岸地帯の砂質土壌に畑があるため同地帯に位置する2都市ChipionaとChiclana de la Fronteraで熟成・出荷したものもシェリーの原産地呼称を名乗れる

   

[タイプ]

1:辛口:Vino Generoso(残糖5g/ℓ未満)

アルコール度色合い
Fino15~18%淡い麦わら色イーストっぽい香り
シャープな辛口
Manzanilla15~19%淡い麦わら色カモミールやパン生地のような香り
塩っぽさを感じる辛口
Amontillado16~22%琥珀色シャープな辛口
複雑実がある
Oloroso17~22%琥珀色~マホガニー香り豊かでフルボディ
やや甘く感じるが辛口
Palo Cortado17~22%琥珀色~マホガニーアモンティリャドの香りでオロロソの風味の辛口

  

2.中間の甘さ:Vino Generoso de Licor

アルコール度残糖色合いベース
Dry15~22%5~45/ℓ淡い黄色~金色フロールのもとで熟成したワイン
Pale Cream15.5~22%45~115g/ℓ淡い黄色~淡い金色フロールのもとで熟成したワイン
Medium15.5~22%5~115g/ℓ琥珀色~マホガニーフロールのもとで熟成と酸化熟成をしたワイン
Cream15.5~22%115~140g/ℓ濃い琥珀色~マホガニー酸化熟成したワイン

  

3.ごく甘口

アルコール度残糖色合い
Moscatel15~22%160/ℓ以上琥珀色~マホガニー
黒檀色
過熟もしくは天日干ししたモスカテルを85%以上使用
Pedro Ximenez15~22%212g/ℓ以上琥珀色~マホガニー
黒檀色
過熟もしくは天日干ししたペドロヒメネスを85%以上使用

  

[特別なカテゴリー]

1.熟成期間認定シェリー(Vinos de Vejez Calificada)

・VOS:平均熟成期間20年以上のもの
(Vinum Optimum Signatum = Very Old Sherry)

・VORS:平均熟成期間30年以上のもの
(Vinum Optimum Rare Signatum = Very Old Rare Sherry)

  

2.熟成年数表示シェリー(Vinos con Indicación de Edad)
・平均熟成期間12年のもの、もしくは15年のもの

  

3.シングルヴィンテージ・シェリー(Añada)
・クリアデラとソレラのシステムではなく単一収獲年のワインを同じ樽で長期間熟成したもの

  

  

Granada

【追加】P275

グラナダ県の168市町村がD.O.範囲認定(2018年)

・サブ・ゾーン:コントラビエサ・アルプハラ地区
・ワインのタイプB,R,Rs,VDN,Sp
平均標高:1,200m
・土壌:粘土質と粘板岩
・気候:地中海性及び大西洋気候

シエラ・ネバダ山脈から吹き下ろす涼風のおかげで濃厚な色、なめらかなタンニンのワインとなる
固有種の白ブドウ「ビビリエガ」の復活に注力している

   

諸島

カナリア諸島

【追加】P277

V.C.にはLas Islas Canarias がある(2011年認定)
…ワインのタイプ:B,R,Rs,VDL,Sp

 

 

以上で【スペイン -後編-】は終了です。
シェリー、大ボリュームでしたね…!!!
次記事では、【アメリカ】をまとめていきたいと思います。

マル
マル
お疲れさまでした!

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